2013.06.22
中間審査会のフィードバック
参加研究室のみなさんへ
中間審査会にご参加いただきありがとうございました。
審査会終了後に、審査員の先生方4人で各研究室の提案を振り返りながら、様々なポイントから気をつけてほしいことなどを話し合い、
最終審査会に向けてみなさんへのメッセージとさせていただくことといたしました。
各研究室とのエスキス中にお伝えしました内容と重複している内容もございますが、ぜひみなさんに一通り読んでいただきたいです。
そして、今回ご提案していただいたアイディアを、よりブラッシュアップし最終審査会にのぞんでいただけることを期待しております。
それでは残り、2ヶ月強の間、全力で取り組み実施プロジェクトを勝ち取ってください。
未来の風景をつくる 学生実施コンペ係
〈立場の交換と関係性〉
個人としてのリアリティの中で、本当に住みたいと思うか、どう魅力を感じるか自分の立場をクライアントに置き換えてみて良いと思えるかを考えるようにしてください。また、周囲との関係性、建物同士の関係性、人と人との関係性それらの中でこのような関係が生まれると望ましい、と思えるイメージをしっかりともつようにしてください。大きな操作が大きな実を結ぶとは限りません。両者の間を行ったり来たりしながら、どのようなアイディアが実現できると良いのか検討してみてください。
〈駐車場の扱い方〉
駐車場の配置があまり検討されていないように感じました。車での移動を主とするこのエリアでは、クライアントにとって暮らしの中でとても重要なことです。日進市では住宅を検討する中で、最低2台、土地に余裕があればそれ以上の駐車台数が望まれています。また、これは台数の問題だけをクリアすればよいのではなく、車の停め方、また車が置かれた状態でどのように住宅や庭そして周囲の敷地と関係してくるかも考えてみてください。
〈方位〉
方位への意識が薄いように感じました。南垂れの敷地がどれだけ土地としての魅力を持っているか考えることによって、この敷地の魅力をもっと活かすことができるはずです。また、方位に応じて家の中にもどのような光が入ってくるかもとても重要なことです。
〈構造・面積から金額へ〉
この3つはとても密接に関係してきます。どのような空間をつくりたいか、どのような広さの間取りがつくりたいか。何を優先するために他をどう現実に落とし込んでいくのか考えなくてはいけません。例えば、このあたりで建築を考えている方々の平均的な予算としては、土地と建物の総額としてだいたい4,500万前後が多いです。想定しているターゲットに本当に購入可能なのかどうか、検討しながら提案してみてください。
〈共有、所有のこと〉
基本的に土地と建物には所有権が発生します。もし、土地もしくは建物をともに使うことを提案の中に考えるときにはどのように共有するかを考えてください。共有を実現することには難しいことがたくさん伴いますが、クライアントにとって良いことを生む共有には購入者の同意が得られるよう検討してください。
〈高低差の処理〉
今回の敷地には高低差があります。敷地内の高低差に対し、段差を生かす、段差をなくすなどどのように土地の高低差を処理するのかも解決してください。また、段差をどのように処理するのか具体的な方法も検討してください。
〈植栽について〉
緑、樹木といっても多様です。どのような大きさの何の樹木を植えるのか、それは常緑樹なのか落葉樹なのか、具体的にどのような植栽を考えているのかも提案してください。また、緑は成長するものでありスタートの段階でどの大きさを想定しているのか、また、大きくなればなるほど周囲に影を落とすものなので光との関係も検討してください。
〈メールや郵送、やりとり〉
建築において、クライアントとのコミュニケーションはとても重要なことです。会話や電話、メール、手紙など様々なコミュニケーションのとり方がありますが、伝える努力と聞く努力ができないとコミュニケーションは成り立たず、建築を実現することはとても難しくなります。また、他にも実施設計を担う設計事務所、工務店、様々な職人の方々など、関わる多くの人とのやりとりも実施プロジェクトにおいては必要となります。
今回の中間審査まで、コンペ実施係との間で各研究室がどのように丁寧なやりとりができるのかを注意して見ていました。1.締切を守ること、2.相手に対し何を伝えたいか、何を聞きたいか(質問、お願い等)、3.言葉の遣い方、上記3つの注意点がまだまだ意識の足りない研究室が多いようです。実施の設計であったり現場のことであったり、学生だからできない、といったことではありません。学生でもできること、として意識をしてみてください。